「Iメッセージ」でお互いを尊重する
どんな気持ちになりますか?
想像していただけますでしょうか?
皆さんが素晴らしいお仕事をされたとします。
上司にこんなふうに言われました。
「今回のお仕事、○○さん、素晴らしいじゃないか」
どんな気分でしょうか。
嬉しいでしょうか。
一方、10歳年下の後輩にこう言われました。
「今回のお仕事、○○さん、素晴らしいじゃないですか」
どんな気分でしょうか。やはり嬉しいでしょうか。
人の感情なので“正解”はありませんが、嬉しいという方もいらっしゃれば、逆に微妙な気分になる方もいらっしゃるかもしれません。
特に、10歳年下の後輩に言われた場合は。
なぜでしょうか。
YouメッセージとIメッセージ
「あなたは素晴らしい」という言い方は、あなたはが主語なのでYouメッセージといいます。
ポジティブな表現ですが、これは相手が素晴らしいか素晴らしくないかをジャッジしています。
したがって、少し“上から目線”で言われたと感じる人も出てきます。
上司に言われて嬉しいのは、上司は評価者だからです。
10歳年下の後輩に「○○さん、素晴らしいじゃないですか」と言われると、
何となく「上から言われた」、言外に「やればできるんですね」など聞こえてくる気になり、「君に言われたくないんだけど」と、微妙な感じになる人もいるのです。
では、10歳年下の後輩にこう言われたらいかがでしょうか。
「今回のお仕事、私、感動しました」
すると「…感動した?かわいいこと言ってくれるね、ありがとう」などという気分にならないでしょうか。
これは、私はが主語なのでIメッセージと言います。
これは自分の感想を言っているだけで、あなたが良いとも悪いとも言っていないのでノー・ジャッジです。私は勝手に感動したので、上から目線ではなく、下から目線でもないので、いわば“横から目線”といえます。
ですから、年上のメンバーの方に対しては、Iメッセージで伝えるのがお勧めです。
「○○さん、すごいじゃないですか」というより、「○○さん、(私は)助かりました!やっぱり頼りになります」と伝えた方が、気持ちよく受け取ってもらえるはずです。
Iメッセージで「感情」か「五感」を伝える
ここまでお読みいただくと「目下から目上に伝えるときは、Iメッセージが良いのだ」と聞こえると思います。
では、「目上から目下に」Iメッセージを使ったらどうなるでしょうか。
目上の上司から認められる時、次の2パターンのうち、どちらの方がより嬉しくて、次も頑張ってやろうという気持ちになるでしょうか。
①「今回のお仕事、○○さん、素晴らしいじゃないか」
②「○○さん、今回は助かったよ、ありがとう」
恐らく、②の方が、人気が高いと思います。
Iメッセージだからです(②では「私は」は省略されています)。
上司なので評価者目線(上から目線)で話してもおかしくはないのですが、横から言ってもらえると、よりリスペクトや感謝が伝わるのです。
したがってどのような相手に対しても、Iメッセージで伝えられる達人になることをお勧めします。
ところで、Youメッセージがすべてダメと言っているのではありません。
ただ、使うときは心から伝えることが大切です。
評価を下すように言うのではなく、心から「君、素晴らしいね〜!(感動)」と言うと、大いに伝わります。
Iメッセージで伝える内容は、感情、または五感です。
感情とは「私はうれしい」「私は寂しい」「私は〜と感じた」などで、五感とは「私にはこう見えた」「私にはこう聞こえる」などです。
「あくまで主観だけど」というニュアンスが伝わり、相手を決め付けない(ノー・ジャッジ)で存在承認することができます。
評判の良い上司は、意識的か無意識か、Iメッセージを使っている人が多いものです。
家庭や友人関係でも、ぜひ活用してみてください。
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今回は、Iメッセージで自身の想いを伝える時に役立つお話をメインにご紹介させていただきましたが、メンバーに安心してたくさん話てもらえるよう、相手の言葉を「認める」ことも重要です。
ぜひ、? 「ほめる」と「認める」の違いと大切さも合わせてご覧ください。
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【関連情報】
●1on1ミーティング研修とは?内容・進め方・導入企業の事例や、効果と課題まで徹底解説
●書籍:「実践!1on1ミーティング」
●書籍:「1on1ミーティングの極意」
(ほんだ たかひろ)
株式会社セブンフォールド・ブリス 代表取締役
多摩大学大学院MBA客員教授
国際コーチング連盟(ICF)マスター認定コーチ(MCC)
エグゼクティブコーチとして、年間約400セッション、累計3,000時間以上実施。主に大企業(IT企業、メーカー、製薬会社ほか多数)の経営幹部に対し、業績向上、リーダーシップ強化、人材育成等の面で貢献。また、1on1ミーティング研修の専門家として、延べ30,000名以上のリーダー・管理職の育成に携わる。日経エグゼクティブコーチ資格取得プログラム講師として登壇するほか、損害保険グループ、住宅メーカー等、数多くの企業で1on1ミーティング研修・社内コーチ養成プログラムを主導。延べ登壇回数は2,500 回を超える(リピート率95%)。心理的安全性と内発的動機づけを軸に、「メンバーが安心して本音を話し、自ら動きたくなる」対話のあり方を伝えている。著書に『実践!1on1ミーティング』(日本経済新聞出版)、『1on1ミーティングの極意』(ワン・パブリッシング)など。
